防犯・詐欺

SNSの100万円配り、本当に振り込まれても危険。口座凍結・脅迫・犯罪加担の手口

防犯・詐欺

SNSでは、「フォローとリポストをした人に100万円を配ります」「生活に困っている人を支援します」といった投稿を見かけることがあります。

こうした投稿に対して、「どうせ振り込まれない詐欺だろう」と考える人は少なくありません。

しかし、注意しなければならないのは、実際にお金が振り込まれたからといって、安全な相手とは限らないことです。

最初にお金を渡して信用させた後、別口座への送金、現金の引き出し、口座情報の提供などを要求される可能性があります。さらに、身分証や住所を渡してしまうと、脅迫されて犯罪に加担させられる危険もあります。

30秒で分かる結論

SNSのお金配りは、本当に振り込まれた後のほうが危険な場合があります。

入金後に「一部を返して」「別の人へ送って」「現金で渡して」と指示された場合、犯罪被害金の運び役にされている可能性があります。

身に覚えのない入金があっても、使ったり、自分の判断で返金したりせず、すぐに利用している銀行へ連絡してください。

  • 入金されたお金を使わない
  • 引き出しや別口座への送金をしない
  • 相手が指定する口座へ返金しない
  • 身分証、暗証番号、ログイン情報を送らない
  • 脅迫されたら相手との連絡を保存して警察へ相談する

「本当に振り込まれたから本物」とは限らない

詐欺と聞くと、「約束した100万円を振り込まず、手数料だけを取る」という手口を想像しがちです。

実際、国民生活センターは、当選金を受け取るためとして送金料や手数料を要求したり、個人情報やクレジットカード番号を盗み取ったりする手口に注意を呼びかけています。

しかし危険なのは、振り込まれないケースだけではありません。

最初に少額または約束した金額を振り込み、信用させる方法も考えられます。その後に、「間違えて多く振り込んだ」「手数料分を残してほかへ送って」「次の当選者に送金して」などと指示される場合があります。

このとき、入金されたお金が配布者本人の資金である保証はありません。

別の詐欺被害者のお金が振り込まれている可能性

特に危険なのが、自分の口座を犯罪資金の中継地点として利用されるケースです。

第三者の口座に犯罪収益を振り込み、その人に別の口座や海外へ送金させる手口は、一般に「マネーミュール」と呼ばれます。

警察庁の犯罪収益移転危険度調査書には、求人に応募した人の銀行口座へ送金した後、そのお金を他国へ送るよう指示する事例が記載されています。また、マネーミュールはSNSで募集され、口座間送金にも利用されているとされています。

SNSのお金配りについて、すべてが同じ手口だと断定することはできません。

しかし、お金配りをきっかけにして次のような指示が来た場合は、犯罪資金の移動に利用されている可能性を疑う必要があります。

  • 振り込んだお金の一部を別口座へ送ってほしい
  • 現金で引き出して担当者へ渡してほしい
  • 暗号資産や電子マネーに交換してほしい
  • 次の当選者へあなたの口座から送金してほしい
  • 銀行から聞かれたら別の送金理由を答えてほしい
  • 通帳、キャッシュカード、口座を貸してほしい

報酬として一部を受け取れると言われても、残金を移動させてはいけません。

入金後に起こり得る4つの危険

1.銀行口座が凍結・利用停止される

自分の口座に詐欺被害金などが振り込まれた場合、金融機関が不正利用の疑いを検知し、取引目的の確認を行う可能性があります。

金融庁は金融機関に対し、不正のおそれがある取引について、顧客への確認や出金停止、口座凍結、解約などを迅速に行うよう求めています。

自分では「プレゼントに当選しただけ」と思っていても、振込元が詐欺被害者だった場合、銀行や警察から事情を聞かれる可能性があります。

2.犯罪資金の運び役にされる

入金されたお金を、相手の指示どおりに別口座へ移すと、結果的に犯罪収益の移転に関与することになりかねません。

特に、「振り込まれた金額の10%を報酬として取ってよい」などの条件は危険です。簡単な作業で高額な報酬を渡す理由はなく、犯罪資金の出所を分かりにくくするために利用されている可能性があります。

3.身分証や住所を使って脅迫される

お金を受け取るためとして、運転免許証、マイナンバーカード、顔写真、住所、電話番号、家族構成などを要求されることがあります。

こうした情報を渡すと、「指示に従わなければ家族に危害を加える」「身分証をネットに公開する」「警察に通報する」などと脅される危険があります。

警察庁は、SNSで集めた人物に運転免許証や顔写真を送信させ、その個人情報を利用して脅迫し、繰り返し犯罪へ加担させる状況があると説明しています。

これは主に犯罪実行者募集に関する注意喚起ですが、お金配りの当選手続きで身分証を渡した場合も、同様に個人情報を弱みとして利用されるおそれがあります。

4.口座を貸すと、自分自身が犯罪に問われる可能性がある

「今後も支援するため」「振込作業を代行してほしい」などと言われても、通帳、キャッシュカード、暗証番号、インターネットバンキングの情報を渡してはいけません。

金融庁と全国銀行協会は、預貯金口座を売る、貸す、譲り渡す行為は違法であり、詐欺被害金の送金先として悪用されていると注意喚起しています。

口座が犯罪に使われると、口座凍結だけでなく、新しい口座を作れなくなったり、被害に関する責任を問われたりする可能性もあります。

本当に100万円が入金されたときにやること

応募したお金配りから実際に入金があった場合でも、すぐに使わず、次の対応をしてください。

まず入金されたお金を動かさない

引き出す、買い物に使う、別口座へ送るといった操作は中止してください。

相手から「間違えて振り込んだので返して」と言われても、相手が指定する別名義の口座へ直接振り込んではいけません。

誤入金の可能性がある場合も、必ず銀行を通して確認してください。

利用している銀行へ連絡する

銀行の公式サイト、通帳、キャッシュカードなどに記載された正規の電話番号へ連絡し、次の内容を説明します。

  • SNSのお金配りに応募したこと
  • 知らない名義から入金されたこと
  • 相手から送金や返金を指示されていること
  • 身分証や口座情報を送ってしまったか

DMに書かれた銀行の電話番号や、相手から送られてきたURLは使わないでください。

DMや振込履歴を削除せず保存する

次の情報をスクリーンショットで保存します。

  • お金配りの投稿
  • 相手のアカウント名とプロフィール
  • 当選を知らせるDM
  • 送金や返金を指示するメッセージ
  • 入金日時、金額、振込名義
  • 送信した身分証や個人情報

相手をブロックする前に、証拠を保存しておくことが重要です。

脅迫されたら警察へ相談する

緊急性がない相談は、警察相談専用電話の「#9110」を利用できます。自宅へ行く、家族に危害を加えるなどと脅され、身の危険が迫っている場合は110番してください。

当選金や手数料などの消費者トラブルについては、消費者ホットライン188から、近くの消費生活相談窓口へ相談できます。

危険なお金配りを見分けるサイン

次のうち一つでも当てはまる場合は、応募や連絡を中止してください。

  • 当選後にLINEやTelegramなどへ移動させる
  • 手数料、保証金、税金を先に要求する
  • 身分証の表裏と顔写真を要求する
  • 銀行の暗証番号やログイン情報を聞く
  • スマートフォンの画面共有を求める
  • 別の人や口座へ送金するよう指示する
  • 現金を引き出して直接会うよう求める
  • 口座、通帳、キャッシュカードを貸すよう求める
  • 家族や銀行には秘密にするよう指示する
  • 断ると警察、裁判、家族への危害を持ち出す

認証マークや多数のフォロワーがあっても、安全の証明にはなりません。アカウントの乗っ取りや、著名人になりすました偽アカウントの可能性もあります。

まとめ

SNSのお金配りで最も分かりやすい危険は、「当選したと言って手数料を取る詐欺」です。

しかし、それだけではありません。

本当にお金を振り込み、信用させてから口座、個人情報、送金作業を利用するケースにも注意が必要です。

振り込まれたお金が別の詐欺被害者からの被害金だった場合、自分の口座が止まり、銀行や警察から事情を聞かれる可能性があります。

さらに、身分証や家族情報を渡してしまうと、それを材料に脅迫され、簡単には抜けられなくなる危険もあります。

知らない相手から大金が振り込まれたときは、喜んですぐに使うのではなく、まず立ち止まってください。

お金を動かさない、相手の指示で返金しない、銀行と警察へ相談する。

この3つが、自分の口座と家族を守るための重要な行動です。

参考資料

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