集団登校中の小学1年生が横断歩道ではねられ死亡
2026年7月15日午前8時ごろ、愛知県小牧市の信号のない交差点で、集団登校中の小学1年生の女の子が乗用車にはねられ、搬送先の病院で亡くなる事故が起きました。報道によると、女の子は集団登校の列から遅れ、通学路の横断歩道で転倒した後、車にはねられたとみられています。
運転手は、集団登校の列が通り過ぎるのを待って発進したものの、列の最後にいた女の子に気付かなかった趣旨の説明をしていると報じられています。事故の詳しい状況は警察が調べていますが、横断歩道を渡っていても、集団登校中でも、重大事故は起こり得ることを改めて考えなければなりません。
横断歩道は歩行者優先。それでも安全確認は必要
信号のない横断歩道では歩行者が優先です。横断しようとしている人や横断中の人がいる場合、車は横断歩道の手前で一時停止し、歩行者の通行を妨げてはいけません。事故を防ぐ第一の責任は、周囲を確認して車を安全に停止させる運転者側にあります。
それでも現実には、歩行者を見落とす車、止まらない車、歩行者が全員渡り終えたと思い込んで発進する車があります。子どもや歩行者に安全確認を呼びかけるのは、事故の責任を歩行者へ押しつけるためではありません。ルールを守らない車や、自分に気付いていない車から、自分の命を守るためです。
歩行者がいても、約4割の車が止まらない
JAFが2025年に全国の信号機のない横断歩道で実施した調査では、歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は56.7%でした。以前より改善しているものの、裏を返せば、約4割の車は歩行者がいても停止しなかったことになります。
「横断歩道だから車は止まってくれる」と思って道路へ出るのではなく、車が完全に停止したことを自分の目で確認してから渡ることが大切です。手前の車が止まっても、反対車線や隣の車線の車まで止まったとは限りません。渡る先まで安全か確認しましょう。
青信号でも、周囲を見ずに渡ってはいけない
信号のある横断歩道も、絶対に安全な場所ではありません。青信号は、周囲を確認せずに歩き出してよいという意味ではなく、交通状況を確認したうえで進むことができるという信号です。交差点には右折車や左折車が入ってくるほか、赤信号を見落とした車や、歩行者に気付いていない車が来る可能性もあります。
青信号になってもすぐに歩き出さず、右・左・右を確認する。近づいてくる車が止まったことを見てから渡り、横断中も周囲の確認を続ける。信号の色だけではなく、実際の車の動きを見ることが重要です。
横断歩道を渡るときの確認
① 横断歩道の手前で一度止まる
② スマートフォンをしまう
③ 右・左・右を確認する
④ 近づく車が完全に止まったか見る
⑤ 運転手が自分に気付いているか車の動きを見る
⑥ 渡っている途中も左右を確認する
これは子どもだけの話ではない
横断歩道で安全確認が必要なのは、子どもだけではありません。大人でも、スマートフォンを見ながら横断する、イヤホンの操作をする、考え事をしながらぼんやり歩く、信号が青になった瞬間に前の人について歩き出すことがあります。
スマートフォンの画面に集中していると、右左折車、自転車、信号の変化などへの反応が遅れます。地図を見る、メッセージを読む、動画を見る、音楽を選ぶ。どれも数秒の行動に思えますが、その数秒に車が近づく可能性があります。道路を渡る前にスマートフォンをしまい、操作する必要がある場合は、安全な場所で立ち止まりましょう。
ぼんやり渡る「無意識の横断」をやめる
スマートフォンを使っていなくても、毎日通る道では慣れから安全確認を省略しやすくなります。「ここはいつも車が止まる」「青になった音が聞こえた」「前の人が渡ったから大丈夫」と考え、自分で確認せずに道路へ入るのは危険です。
青になったから歩くのではなく、青になった後に周囲を見てから歩く。前の人が安全に渡れたとしても、自分が渡る時点では信号や車の位置が変わっている場合があります。前の人ではなく、自分の目で毎回確認してください。
右左折車だけでなく、直進車にも注意する
信号のある交差点では、横断歩道へ曲がってくる右折車や左折車に注意が必要です。一方、信号のない横断歩道では、直進してくる車が歩行者を見落とし、そのまま通過する危険があります。
片側の車が止まったことで安心して渡り始めると、その車の陰から別の車や自転車が現れることもあります。一台が止まったことではなく、自分が通るすべての車線が安全かを確認しましょう。
集団登校では「最後尾」まで確認する
集団登校では、先頭の子どもや大きな列に運転手の注意が向きやすく、「列はすべて渡り終わった」と思い込む可能性があります。しかし、最後尾の子どもが転ぶ、靴が脱げる、前の子から遅れる、忘れ物に気付いて立ち止まるといったことは十分に起こり得ます。
列の先頭が渡り終えたことと、子ども全員が渡り終えたことは同じではありません。見守りを行う場合は、先頭だけでなく最後尾にも注意を向ける必要があります。運転者も、子どもの列が通過した直後はすぐに発進せず、横断歩道に残っている子どもがいないか最後まで確認しなければなりません。
低学年には、言葉だけでなく実際の練習を
小学1年生などの低学年は、「横断歩道を渡る」「左右を見る」というルールを知っていても、実際の道路で信号、左右の車、右左折車、自転車を同時に確認することが難しい場合があります。友達について行くことに集中し、自分では車を見ていないこともあります。
普段使う通学路を親子で実際に歩き、どこで止まり、どの方向を見て、どの車が止まったら渡るのかを繰り返し練習しましょう。「右と左を見なさい」だけではなく、「渡っている途中も確認する」ことまで具体的に教えることが大切です。
大人の行動を、子どもは見ている
子どもに「車が止まったことを確認しなさい」と教えていても、大人がスマートフォンを見ながら横断したり、青信号になった瞬間に周囲を見ず歩き出したりすれば、言葉と行動が一致しません。子どもは交通安全の説明だけでなく、大人が普段どのように道路を渡っているかも見ています。
子どもに安全確認を求めるなら、大人も横断歩道の前でスマートフォンをしまい、一度止まって左右を見る。親子で渡る際に、「青になったけれど、車は止まったかな」と声に出して確認すれば、安全確認の手順を行動で見せられます。
ドライバーは「もう一人いるかもしれない」と考える
横断歩道は歩行者優先です。運転者は横断歩道へ近づいたら、すぐに停止できる速度まで落とし、歩行者がいる場合は確実に停止しなければなりません。集団が通り過ぎた後も、遅れている子ども、転倒した子ども、小さな体がほかの児童や車の陰に隠れている可能性があります。
「列が通り過ぎた」ではなく、「横断歩道に誰も残っていない」と確認してから発進する。特に学校周辺や通学時間帯では、子どもが予想外の動きをする前提で運転する必要があります。
子どもにも大人にも覚えてほしいこと
横断歩道を使うこと、信号を守ることは交通安全の基本です。しかし、それだけで事故を完全に防げるわけではありません。信号がなくても、青信号でも、集団で歩いていても、車が完全に止まったことを確認してから渡り、渡り終えるまで周囲を見ることが大切です。
これは、歩行者側に事故の責任を負わせるためではありません。歩行者優先のルールを守らない車や、自分に気付いていない車が現実に存在する中で、自分と一緒に歩く人の命を守るための行動です。
青信号でもスマホをしまう。
ぼんやり渡らず、自分の目で安全を確認する。
子どもだけでなく、大人も毎回確認する。その姿を子どもに見せることが、交通安全を習慣にする第一歩になります。
参考情報
- メ~テレ:愛知県小牧市で発生した集団登校中の交通死亡事故
- CBCテレビ:小学1年生の女児が横断歩道ではねられ死亡した事故
- 警察庁:横断歩道は歩行者優先です
- JAF:2025年 信号機のない横断歩道における車の一時停止状況全国調査
- 警視庁公認 TOKYO SAFETY ACTION:横断歩道は右・左・右
- 宮城県:ながらスマホ・歩きスマホの危険性
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