子どもの事故

「水筒を斜め掛け」が危ない。転んだだけで子どもが内臓損傷する事故も

子どもの事故

いつもの水筒が、転倒した瞬間に危険なものになる

夏の登校、遠足、公園へのお出かけ。子どもが水筒を首から下げたり、肩から斜め掛けにしたりする光景は珍しくありません。

しかし、その状態で転ぶと、硬い水筒が地面と子どものお腹の間に挟まり、腹部へ強い衝撃が加わることがあります。

実際に、ただ転倒しただけで、小腸破裂や脾臓損傷、膵臓の一部と脾臓の摘出に至った子どもの事故が報告されています。

9歳児、水筒を斜め掛けして転倒。脾臓を損傷

9歳の子どもが、1リットルの水筒を斜め掛けにして歩いていたところ、坂道で転倒しました。その際、地面と水筒の間にお腹を挟まれるような形になり、腹部を強打しました。

その結果、脾臓を損傷し、集中治療室に入院。保存的な治療を受け、10日後に退院しています。

転んだだけです。しかし、お腹の下に硬い水筒があったことで、衝撃が腹部の一部分に集中しました。

10歳児は小腸破裂。緊急手術と集中治療室へ

さらに重い事故も起きています。10歳の子どもが通学中、友人と追いかけっこをしていて転倒しました。

そのとき、斜め掛けしていた水筒が腹部の右側に強く当たり、痛みと嘔吐が出現。救急搬送された結果、小腸破裂と汎発性腹膜炎が判明し、緊急手術を受けて集中治療室に入院しました。

「走っていて転んだ」という、子どもなら日常的に起こり得る出来事が、重大な内臓損傷につながったのです。

7歳児は膵臓の約50%と脾臓を摘出

7歳の子どもが登校中に走っていたところ、硬い土の場所でつまずきました。その際、首から下げていた水筒が地面とお腹の間に挟まり、腹部を強打しました。

その結果、内臓を損傷し、膵臓の約50%と脾臓を摘出する大けがに至っています。

水筒は水分補給のために必要なものです。しかし、硬くて重量のある水筒をお腹の前にぶら下げた状態で転倒すると、その水筒自体が強い衝撃を一点に集中させる可能性があります。

なぜ子どもは大きなけがにつながりやすいのか

消費者庁によると、子どもは大人と比べて転倒しやすく、転んだ際に反射的に手をつく動作が十分にできないことがあります。また、腹部に占める臓器の割合が大きく、お腹周りの筋肉も弱いため、外から強い力が加わった場合に内臓を損傷しやすいとされています。

大人なら打撲で済むように見える転倒でも、子どもでは重い内臓損傷につながる可能性があります。

「小さい水筒だから大丈夫」とは限らない

もちろん、水筒が大きく重いほど衝撃も大きくなる可能性があります。しかし、危険性を重さだけで判断するのは避けた方がよいでしょう。

走っている速度、転び方、水筒が当たった位置、地面の硬さなどによって、けがの程度は変わります。

重要なのは、水筒を首や肩から掛けた状態で走ったり遊んだりしないことです。

水筒のひもにも別の危険がある

注意するのは転倒だけではありません。消費者庁は、水筒のひもが首や腕に絡まったり、遊具などに引っかかったりする危険についても注意を呼びかけています。

子どもが滑り台、ジャングルジム、ブランコなどで遊ぶとき、水筒を掛けたままにすると、長いひもが遊具に引っかかる可能性があります。

「水筒を持たせたまま遊ばせる」は避け、遊具で遊ぶ前には必ず水筒を外しましょう。

首や肩ではなく、リュックに入れるのが安全

消費者庁が勧めている対策はシンプルです。水筒はなるべくリュックサックなどに入れて持ち運ぶ。首や肩から掛けているときには走らせない。そして、遊具で遊ぶ場合には水筒を置いてから遊ばせることです。

特に登下校では、友達を見つけて突然走る、坂道を駆け下りる、段差につまずくといったことが起こります。

可能であれば、水筒をお腹の前にぶら下げるのではなく、リュックの中やサイドポケットに収納する方が安心です。

転倒後に腹痛や嘔吐があれば軽視しない

水筒を掛けた状態で転倒し、お腹を強く打った場合には、その後の様子にも注意が必要です。

強い腹痛、繰り返す嘔吐、顔色が悪い、ぐったりしている、お腹の痛みが続くなどの異変がある場合には、「ただの打撲だろう」と決めつけないことが大切です。

実際の事故でも、転倒後の腹痛や嘔吐から、小腸破裂などの重大な内臓損傷が判明しています。

水筒そのものが危険なのではない

夏の水分補給に、水筒は大切です。問題なのは、水筒そのものではなく、硬くて重い水筒を体の前に下げた状態で走ったり、遊んだり、転倒したりすることです。

水筒をリュックに入れる。斜め掛けした状態では走らない。遊具で遊ぶ前には外す。この3つだけでも、事故のリスクを減らせます。

「いつも首から掛けているけれど、今まで何もなかった」は、次も安全という意味ではありません。

水筒を持たせたら、最後に一度だけ確認する。

「このまま転んだら、水筒はどこに当たるだろう?」

その小さな確認が、子どもの重大なけがを防ぐことにつながります。

参考情報

  • 消費者庁「Vol.635 水筒を持ち歩くときの転倒事故に注意!」
  • 政府広報オンライン「こども服の安全性」に関する注意喚起

コメント

タイトルとURLをコピーしました