駅や商業施設を歩いているとき、知らない人が抱っこひものバックルへ手を伸ばしてきた。
すれ違いざまに、赤ちゃんを抱えている状態で強く体をぶつけられた。
SNSやニュースでは、抱っこひもへ無断で触れる行為や、通行人へ故意に体当たりするような行為が取り上げられることがあります。
しかし、相手の年齢や性別だけを見て、危険な人物だと判断することはできません。
警戒したいのは特定の属性ではなく、抱っこひもの固定部分へ勝手に触れる、不自然に距離を詰める、進路を合わせて体をぶつけるといった行為です。
この記事で分かること
- 抱っこひものバックルを外される危険
- 故意と思われる体当たりによる事故リスク
- 駅や街中で赤ちゃんを守る方法
- 被害を受けた直後に行うこと
- 110番と警察相談専用電話の使い分け
- 抱っこひものバックルを外されると何が起きるのか
- 全国で頻繁に起きているとは断定できない
- 通常の抱っこひも使用中にも落下事故は起きている
- 駅や街中での故意と思われる体当たりにも注意
- 赤ちゃんを抱いていると体当たりの危険が大きくなる
- 特に注意したい場所と状況
- 抱っこひものバックルを守る方法
- 知らない人がバックルへ手を伸ばしてきたら
- 体当たりされそうになったときの避け方
- 被害を受けても追いかけない
- 被害直後に記録しておきたいこと
- 撮影できてもSNSへすぐ投稿しない
- 緊急時は110番、緊急でない相談は警察相談専用電話
- 赤ちゃんが落下・衝突したときの対応
- バックルカバーを付ければ完全に防げる?
- 周囲のすべての人を恐れる必要はない
- まとめ
- 参考情報
抱っこひものバックルを外されると何が起きるのか
抱っこひもには、肩ベルト、腰ベルト、背中側のバックルなど、赤ちゃんの体を支えるための固定部分があります。
第三者が背後からバックルへ手を伸ばし、突然外した場合、抱っこひもの種類や装着状態によっては、赤ちゃんの体が大きく傾く可能性があります。
抱っこひも安全協議会は、一般的な抱っこひもの背中側バックルが突然外されると、乳幼児が腰ベルトを起点として回転し、頭から落下する可能性があると説明しています。
腰ベルトの高さは地面から約1メートルになる場合があります。赤ちゃんが頭から地面へ落下すれば、重大な頭部外傷につながる危険があります。
抱っこひものバックルは、単なる留め具ではありません。赤ちゃんの落下を防ぐ重要な部品です。
全国で頻繁に起きているとは断定できない
抱っこひものバックルを外す行為は、重大な事故につながり得る非常に危険なものです。
一方で、SNSへ投稿されたすべての情報について、発生日時、場所、警察への届出、事故原因などが確認されているわけではありません。
抱っこひも安全協議会は2019年10月の公表時点で、同協議会にはこの行為による被害報告は届いていないとしています。
そのため、「全国で大量に発生している」「特定の人物像に注意すれば防げる」と断定するのは適切ではありません。
必要なのは、過度に不安をあおることではなく、万が一、抱っこひもの固定部分へ触れられた場合に、どう赤ちゃんを守るかを知っておくことです。
通常の抱っこひも使用中にも落下事故は起きている
第三者による接触がなくても、抱っこひもの装着ミスや、着脱中の不意な動きによって赤ちゃんが落下する事故は発生しています。
国民生活センターは、抱っこひもから落下した乳幼児が頭蓋内損傷などの重いけがを負った事故について注意を呼びかけています。
赤ちゃんは大人と比べて、体に対する頭の割合が大きく、落下時に頭部から地面へぶつかりやすい特徴があります。
また、自分の手で体を支えたり、受け身を取ったりすることが困難です。
参考:国民生活センター「抱っこひもからの子どもの落下に注意!」
知らない人が抱っこひものバックルやベルトへ手を伸ばしてきた場合は、「何かを直そうとしただけかもしれない」と軽く考えず、赤ちゃんの体を支えて距離を取りましょう。
駅や街中での故意と思われる体当たりにも注意
駅や繁華街などでは、十分に避けられる広さがあるにもかかわらず、すれ違いざまに肩や体を強くぶつけられたという相談や投稿が見られます。
ただし、混雑した場所では、急な進路変更や周囲の見落としによって、偶然接触することもあります。
一度の接触だけで故意だと断定することは難しい場合があります。
一方で、次のような行動が見られる場合は、早めに距離を取ることが大切です。
- 十分な通路幅があるのに正面から進路を合わせてくる
- こちらが避けても同じ方向へ移動してくる
- 背後から不自然に距離を詰めてくる
- 赤ちゃんや抱っこひもへ手を伸ばしてくる
- 一度離れた後も繰り返し近づいてくる
- 断っているのに接触を続けようとする
相手の見た目や年齢、性別だけで判断せず、不自然な距離の詰め方や接触行為を基準に警戒しましょう。
赤ちゃんを抱いていると体当たりの危険が大きくなる
赤ちゃんを抱っこしていると、保護者の重心は普段より前に移りやすくなります。
抱っこひもによって足元が見えにくくなり、片手に買い物袋や育児用品を持っていることもあります。
その状態で強い力を受けると、次のような事故につながる可能性があります。
- 保護者がバランスを崩して転倒する
- 赤ちゃんの頭が壁や手すりへぶつかる
- 抱っこひもの位置が大きくずれる
- バックルやベルトへ強い負荷がかかる
- 階段や駅のホームから転落する
- 持っていた荷物が赤ちゃんへ当たる
特に駅のホーム、階段、エスカレーター、車道の近くでは、最初の接触だけでなく、その後の転倒や転落が重大事故につながります。
特に注意したい場所と状況
不審な接触を完全に防ぐことは難しいものの、周囲を確認しにくい場面を知っておくことで、警戒を強められます。
- 通勤・帰宅時間帯の混雑した駅
- 電車やバスへ乗り降りするとき
- エスカレーターの乗り口と降り口
- 駅の階段や狭い通路
- ホームの端や車道の近く
- 商業施設のエレベーター前
- レジや券売機に並んでいるとき
- 荷物の整理や会計に集中しているとき
- スマートフォンを見ているとき
- ベンチなどで休憩しているとき
荷物やスマートフォンへ意識が向いていると、背後から近づく人や、抱っこひもの固定部分へ伸びる手に気付きにくくなります。
混雑した場所へ入る前に、荷物やスマートフォンをいったん整理しておくと、周囲を確認しやすくなります。
抱っこひものバックルを守る方法
上着で背中側のバックルを覆う
抱っこひも安全協議会は、第三者が背中側のバックルへ簡単に触れないよう、抱っこひもの上から上着を着る方法を挙げています。
背中の固定部分が上着の内側に入るため、外側から直接手をかけにくくなります。
ただし、赤ちゃんの顔まで上着で覆ってはいけません。
赤ちゃんの顔が常に見えること、鼻と口がふさがれていないこと、あごが胸へ強く押し付けられていないことを確認してください。
リュックなどでバックル付近を覆う
背中側のバックルがリュックの下に隠れる状態であれば、直接触れられにくくなる場合があります。
ただし、混雑した車内では、背負ったリュックが周囲の人へぶつかったり、背中側から押されて姿勢を崩したりする可能性があります。
場所や混雑状況に応じて、上着で覆う、荷物を前へ持つなど、より安全な方法を選びましょう。
赤ちゃんの体へ手を添える
手が空いているときは、抱っこひもだけに体重を預けず、赤ちゃんのお尻や背中へ手を添えておきます。
万が一バックルが外れたり、強い接触を受けたりした場合でも、赤ちゃんの体をすぐに支えやすくなります。
外出前に固定部分を確認する
第三者による接触だけでなく、装着ミスや部品の劣化にも注意が必要です。
- バックルが奥まで正しく差し込まれているか
- バックルを引いても外れないか
- ロック機能が正しく作動しているか
- ベルトが緩みすぎていないか
- ベルトがねじれていないか
- バックルや縫い目に亀裂がないか
- 赤ちゃんの位置が低すぎないか
抱っこひもは製品によって構造や装着方法が異なります。
自己流で調整せず、使用している製品の取扱説明書を確認してください。
知らない人がバックルへ手を伸ばしてきたら
背後や横から人が近づき、抱っこひものバックルやベルトへ手を伸ばしてきた場合は、相手への配慮より赤ちゃんの安全を優先します。
その場で行いたいこと
- 両手または片手で赤ちゃんの体を支える
- 相手からすぐに距離を取る
- 「触らないでください」と明確に伝える
- 駅員、警備員、店員がいる方向へ移動する
- 壁際や行き止まりを避ける
- 安全な場所でバックルとベルトを確認する
相手が「服のごみを取ろうとした」「ベルトを直そうとした」と説明する可能性もあります。
しかし、知らない人が、保護者へ声をかけずに抱っこひもの固定部分へ触れる必要はありません。
違和感を覚えた時点で、はっきりと断って構いません。
体当たりされそうになったときの避け方
正面から不自然に進路を合わせてくる人や、十分な幅があるのに距離を詰めてくる人がいた場合は、無理に同じ進路を進まないことが大切です。
- いったん立ち止まる
- 進路を大きく変える
- 店舗や駅員がいる方向へ移動する
- 柱や壁との間に挟まれないようにする
- 階段やホームの端から離れる
- 赤ちゃんの頭と体へ手を添える
- 相手を先に通す
相手をにらみ返したり、肩を張ってぶつかり返したりすると、口論や暴力へ発展する可能性があります。
赤ちゃんを連れているときは、相手の行動を止めることよりも、その場から安全に離れることを優先してください。
被害を受けても追いかけない
故意と思われる体当たりを受けたり、抱っこひもの固定部分へ手をかけられたりすると、相手を追いかけて理由を問いただしたくなるかもしれません。
しかし、赤ちゃんを抱えたまま走ると、転倒や落下の危険が高まります。
相手が暴力的な人物だった場合、さらに強い危害を受ける可能性もあります。
相手の腕をつかむ、押し返す、体当たりを返すといった行動は、新たなトラブルにつながる場合があります。
追跡や報復よりも、駅員、警備員、店員、警察へ相談することを優先しましょう。
被害直後に記録しておきたいこと
安全な場所へ移動した後は、記憶が新しいうちに状況を記録します。
- 発生した日付と時刻
- 駅名、路線、施設名
- ホーム、改札、店舗前などの詳しい場所
- 相手の服装、髪形、持ち物
- 相手が向かった方向
- 具体的にどこへ触れられたか
- どの方向から体当たりされたか
- 目撃者がいたか
- 近くに防犯カメラがあったか
- 赤ちゃんや保護者に痛みやけががあるか
相手の特徴を記録するときは、年齢や性別だけでなく、服装、持ち物、靴、帽子、移動方向など、見間違いにくい情報も残します。
駅や商業施設の防犯カメラ映像には、保存期間があります。
故意の接触が疑われる場合は、できるだけ早く駅員や施設管理者、警察へ相談してください。
撮影できてもSNSへすぐ投稿しない
相手の映像や写真を撮影できた場合でも、SNSへすぐに公開することは避けましょう。
映像の一部分だけでは、故意の接触だったのか、混雑による偶然の接触だったのかを判断できない場合があります。
誤って別人を危険人物として拡散すると、重大なトラブルにつながる可能性があります。
また、周囲にいる無関係な人や子どもの顔、駅名、位置情報などが映り込むこともあります。
記録した映像や写真は、まず駅員、施設管理者、警察へ提示してください。
緊急時は110番、緊急でない相談は警察相談専用電話
相手がその場にいて再び危害を加えようとしている、追いかけられている、赤ちゃんや保護者がけがをしたなど、緊急性がある場合は110番へ通報します。
相手が立ち去った後で、被害届や今後の対応について相談したい場合は、最寄りの警察署または警察相談専用電話「#9110」を利用できます。
警察庁は、事件や事故の緊急通報は110番、緊急ではない生活上の安全に関する相談は最寄りの警察署または#9110を利用するよう案内しています。
相談先の目安
- 今まさに危険がある:110番
- けが人がおり救急車が必要:119番
- 緊急ではないが警察へ相談したい:#9110または最寄りの警察署
- 駅構内で起きた:駅員や鉄道警察へ相談
- 商業施設内で起きた:警備員や施設管理者へ相談
赤ちゃんが落下・衝突したときの対応
バックルが外れて赤ちゃんが落下した場合や、接触の衝撃で赤ちゃんの頭や体が壁、手すり、床へぶつかった場合は、見た目だけで大丈夫と判断しないでください。
次のような異常がある場合は、すぐに119番へ通報します。
- 意識がはっきりしない
- 呼びかけへの反応が弱い
- けいれんしている
- 呼吸がおかしい
- 繰り返し吐いている
- 出血が止まらない
- 手足の動きがおかしい
- 激しく泣いた後、急にぐったりした
明らかな異常がなくても、頭を強く打った、高い位置から落ちた、普段と様子が違う場合は、医療機関や地域の救急相談窓口へ相談してください。
事故直後には症状が目立たず、時間が経過してから変化が現れる可能性もあります。
バックルカバーを付ければ完全に防げる?
市販のバックルカバーなどを使用すると、第三者が直接バックルへ触れにくくなる可能性があります。
ただし、カバーを付ければ安全が保証されるわけではありません。
- 製品本来のロック機能を妨げないか
- バックルの装着状態を確認できるか
- カバーが簡単にずれないか
- 赤ちゃんの顔や呼吸を妨げないか
- 抱っこひものメーカーが使用を認めているか
非純正の部品を追加すると、抱っこひもの正しい動作へ影響する可能性があります。
まずは取扱説明書どおりに装着し、上着で背中側を覆う、赤ちゃんへ手を添える、周囲を確認するなどの基本対策を優先してください。
周囲のすべての人を恐れる必要はない
抱っこひもへの不審な接触や、故意と思われる体当たりの話を見ると、子どもを連れて外出すること自体が怖くなるかもしれません。
しかし、街を歩く人のほとんどが、赤ちゃんや保護者へ危害を加えようとしているわけではありません。
相手の年齢、性別、服装だけを見て警戒すると、無関係な人を危険人物だと誤解する可能性があります。
警戒する基準は、人の属性ではなく行動です。
- 必要以上に背後から距離を詰めてくる
- 抱っこひもの固定部分へ手を伸ばす
- 十分な通路幅があるのに進路を合わせる
- こちらが避けても何度も近づいてくる
- 断っても赤ちゃんや抱っこひもへ触ろうとする
不自然な行動に気付いたら、相手を問い詰めるより先に、安全な場所へ移動しましょう。
まとめ
抱っこひものバックルを第三者に外された場合、赤ちゃんが頭から落下し、重大なけがを負う可能性があります。
また、赤ちゃんを抱いた状態で強く体当たりされると、保護者の転倒や、駅のホーム・階段からの転落につながる危険があります。
ただし、危険な行為をする人物を、年齢や性別だけで特定することはできません。
外出時は次の点を意識してください。
- 背中側のバックルを上着などで覆う
- 赤ちゃんのお尻や背中へ手を添える
- 外出前にバックルとベルトを確認する
- 混雑した場所ではスマートフォンへ集中しない
- 不自然に距離を詰める人から離れる
- 被害に遭っても追跡や報復をしない
- 駅員、警備員、警察へ早めに相談する
- 緊急時は110番、緊急でない相談は#9110を利用する
特定の人物像を恐れるのではなく、赤ちゃんへ危険が及ぶ不自然な接触や行動に注意することが大切です。
参考情報
※本記事は、特定の年齢、性別、服装、外見の人を危険人物として扱うものではありません。赤ちゃんや保護者へ危険が及ぶ可能性のある行為と、その予防方法について解説しています。


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